ファクタリングの歴史と日本に浸透した理由

日本でも浸透をみせているファクタリングは14~16世紀にイギリスで誕生し、アメリカで大きく発展しました。日本に伝来したのは1970年に入ってからです。ファクタリングの成り立ちや日本に浸透した流れについて学んでおきましょう。

14~16世紀にイギリスでファクタリングが誕生

ファクタリング自体は古代メソポタミアの時代から存在していましたが、現代のファクタリングに近いものは14~16世紀にイギリスで誕生した説、16世紀にアメリカがイギリスに綿やたばこなどを輸出する際に求めていた前払いから始まった説などがあります。だし、後者は支払いの保証が目的だったため、お客さまが保有する在庫などを担保にする現代の売掛債権担保融資とは目的が異なっていました。現代のファクタリングは19~20世紀にアメリカで確立されました。繊維業界で大きく発展していきましたが、ほかの業界にも広まりをみせ、売掛先の信用度を調査した上での資金提供が中心となりました。長い歴史があるため、アメリカではファクタリングの市場規模が日本の5~10倍もあります。

1970年に日本にファクタリングが伝来

日本にファクタリングが伝来したのは、1970年に入ってからです。当時の日本は手形取引が主流だったため、ファクタリングはあまり浸透しませんでした。手形取引は商品購入時に手形を企業へ渡して、代金の支払い日に銀行から送金する流れです。バブル崩壊により手形取引は減少し、反対にファクタリングの利用が増加しました。手形取引が減少したのは、経済への信用が下がったことが要因です。ファクタリングは大手金融機関では利用されていたものの、信用調査のスキルが未熟だったことが影響して普及には時間がかかりました。日本で浸透したのは他国よりもかなり遅いといえます。次第に大手金融機関だけでなく、中小企業や個人事業主にもファクタリングは広まりました。

手形取引の衰退や法整備で日本に浸透

手形取引が衰退したことと法整備が進んだことで、日本でのファクタリング利用は増加しました。大きなきっかけは、債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律が2005年に制定されたことです。債権譲渡の手続きが簡単になり、債権譲渡を行いやすくなりました。現在はファクタリング業者の数が増えて、資金調達が容易になっています。政府もファクタリングを推奨しており、今後さらにファクタリングが浸透していく可能性は高いでしょう。大阪のアルシエ株式会社では、ファクタリング業務や企業信用調査業務を承っております。担保や保証人は不要ですので、資金調達にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。