書籍のオンライン化が進み、出版業界においても経営難に陥る会社が見受けられます。大手書店であっても多数の店舗を閉店している昨今、万が一売掛先が倒産した場合に備えなくてはなりません。そこでおすすめなのが、売掛債権を現金化できるファクタリングです。
売掛先の会社が倒産
出版業界は、「出版社」と「出版取次会社」、「書店」のおもに3つで構成されています。出版社は出版取次会社に本を卸し、本が売れるかどうかにかかわらず、いったん仮払金として本の部数分の金額を取次会社から受け取ります。出版会社はその仮払金の一部を人件費や本の発行に際しての費用を充てることが可能になります。しかし本が売れずに返品された分は出版会社側で負担しなければならず、仮払金を支払ってくれた取次会社に対して借金を背負うことになるのです。
次に新刊を発行すればまた取次会社から仮払金を受け取り、借金分に充てることもできますが、書籍の売上が低迷する中、借金がどんどんと膨らみ倒産してしまうことも少なくありません。出版社が次々に倒産すれば、取次会社としての経営が成り立たなくなる可能性があるため、万が一のときに備えて資金調達の方法を確保しておくことが大切です。
出版業のファクタリング活用事例
出版取次会社における実際のファクタリングの活用事例をみていきましょう。
年商:9,000万円
従業員数:15人
都道府県:大阪府
調達日数:3日
調達額:400万円
資金用途:人件費
A社は出版取次会社として20年近くにわたり、出版会社B社と取引してきました。昨今の出版業界の不況の中でもB社は新刊を次々と発行し、売上低迷の中でもなんとか生き抜いてきたのです。ところが新刊を発行しても業界の不況のあおりを受け、採算が合わなくなり突然B社は倒産します。B社から未払い金を回収できず、A社の資金繰りはたちまち危機的状況に陥ってしまいました。知り合いから紹介されたファクタリング会社へ相談すると、有名な出版社と取引をしてきた実績などで信用を得られて、3日で400万円の資金調達に成功。その結果滞りなく人件費を支払うことができました。
ファクタリングで仕入先への未払いを回避
黒字経営を続けている取次会社であったとしても、取引先の出版会社が倒産してしまえば資金繰りに苦しむことになります。昨今、出版業界の不況は続いているため、万が一出版会社が倒産してしまったときの対策を早い段階で考えておくことが大切です。
ファクタリングであれば保有している売掛債権の代わりに現金を受け取ることが可能になります。銀行の融資と異なり、審査に時間を要さないため、早急に現金を手元にほしいというときに便利なサービスです。いつ出版会社が倒産してもおかしくない状況の中、未来を見据えて健全な会社経営を続けていくため、資金調達の方法としてファクタリングをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。